神経科学
脳は、神経細胞がシナプスを介して連絡し構築される神経回路と、それを支持・維持するグリア細胞から成り立っています。
脳が機能を発揮する際には、特定の神経回路が選択的に活性化されますが、こうした回路が生得的に完成されているわけではありません。
新生児の脳は、機能的には Tabula rasa(白紙)であり、基本的な神経回路の配線(hard wiring)こそ備わっているものの、これらが適切に機能するためには、生後の発達期における多様な経験が極めて重要です。
特定の時期に生じる可塑的変化(plasticity)を経て、機能的な神経回路が形成されると考えられています。
私たちは、感覚・思考・記憶など多様な脳機能を担う神経回路の同定と、それらの発達における制御機構の解明に関心を持ち、研究を進めています。